東日本大震災から11年の月日が流れました。
当時の今頃は、福島第一原子力発電所の事故対応に奔走していたと思います。
初めて向き合う原発事故に、政府全体が手探りの中で対応していました。
震災から11年。
いまだ、故郷を失い避難を強いられている方がいます。
遂に、故郷に帰ることが出来ずに天に召された方がいます。
私たちに突如として降りかかった地震と、津波と、原発事故という多重災害は、多くの命と財産と思い出を奪いました。
だからこそ、次に同じような災害が起きたときに、今よりも失われるものが少なくなるように、絶えず当時を振り返る必要があると思います。
当時、総理補佐官として官邸で震災、原発事故対応をしてきたことで、多くの取材を受けました。
それは今でも続いています。
今回、私が敬愛する共同通信の太田さんが新たに本を出されました。
「日米中枢9人の3.11」
駐米大使や防衛省幹部らと共に、その9人の中の一人として、私のインタビューが載っております。
取材を受けるときはいつも、「自分や当時の官邸に不利なことであっても正直に話す。それが被災者への礼節」と思って話して参りました。
今回も同様です。
私がしたこと、見聞きしたこと、それが良いものであれ、悪いものであれ全ては今後のための公共財と思います。
これから起きる災害で、一人でも多くの被災者が救われますように。
全ての被災者に心からの黙祷を捧げます。
3月11日
寺田学