202107月17日

【オリンピックと日本人の命】

オリンピック開幕まで一週間を切りました。
 
この日を目指して努力されたアスリートの方には心からの敬意を示したいと思います。
ただ、世界的な新型コロナの感染拡大が続く中、オリンピックを強行することで、様々なところに影響が出ています。
 
今日の報道にあったのは、デルタ株の感染拡大が世界最悪レベルのインドネシアからの帰国希望者が、日本に帰国するのに苦労している事情です。
友人がインドネシアに駐在していたこともあり、現地の医療状況を以前から聞いておりました。
 
現地の医療機関は決して安心できるものではなく、緊急時にはシンガポールに移動して治療を受けることもあったと。しかし今は、国外移動は絶望的で、その結果、コロナ感染による死の確率が格段に高まることになります。
インドネシアに住む多くの日本人が帰国を希望するも、そこに立ちはだかるのは日本側の渋い対応。
 
そもそも、海外から帰国した日本人(この場合は避難に近い)を隔離するホテルや施設が空いていないとのこと。
オリンピック関係者が大挙して日本に来日していることもあり、ただでさえ少ない隔離施設がオリンピック関係者に分け与えられ、日本人の避難帰国者には十分な用意がされていません。
今回の記事では、かろうじて帰国したものの、成田空港から中部空港に移動させられ、そこで14日の隔離生活に入ったと。
成田はいまオリンピック関係者の入国がピークで、政府は航空会社に混雑時の予約を受けないよう要請までしており、オリンピックが最優先となっています。
 
同じくベトナムに住む友人家族からはワクチンに関する悲鳴が。
ワクチンを打ちたいにも、東南アジア全域でワクチンは不足しており接種の可能性は著しく低い状態です。
日本の外務省からは「一時帰国して接種して」とのアナウンスがあったようですが、上記の事情で日本に一時帰国もままならず、その上、日本帰国時に14日間の隔離、ワクチン2回接種に30日間、そしてベトナムに帰国後30日間の隔離が課せられることを考えると、帰国接種は現実的な選択肢ではありません。
諸外国の中では、各地大使館に自国民用のワクチンを輸送し接種の機会を設けているとのこと。
諸外国のケースをもとに、政府に対応をお願いしようにも、政府全体がオリンピック対応に忙殺されています。
 
日本政府にとって、日本人の命とは。
いまの政治が、何を優先しているのか。
それが如実に現れている中で、できる限りの日本人の生活を守るため頑張らなければなりません。
 

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