民主党に対する素直な想いを。
新代表に岡田克也氏が選出されました。
代り映えがしないとの厳しい声も頂きますが、例え新しい人が代表になっても、民主党が失った信頼は直ちに回復出来るものではないと思います。
私達が失ったものは、もっともっと根深いものです。
党の立て直しは根治的なものでなければならず、その立て直しには、岡田氏のような厳しい判断が出来る人が適任だと思っています。
自己反省を踏まえて率直に申し上げて、
民主党は、いまだ党として成熟した政党ではないと思います。
いままで、政権交代という大義の為に大同団結をし、その政権交代を実現させました。ただ、政権交代が目的化したせいで政権運営は稚拙でした。大きな期待の反動として、深刻な失望を国民に抱かせてしまいました。
この失望を払拭し、再び信頼を勝ち取る道は容易ではありません。
民主党は、ふんわりとした雰囲気で誤摩化すのではなく、地に足着いた成熟した政党への変革が必要です。
政党として、未熟である理由は以下の二つだと思います。
一つ。
政策の軸足が見えない、というもの。
今までの民主党は、政権交代という大義の前に政策の軸を定める事無く人数を増やしてきたことで、政党としての色を見えなくしています。社会保障分野での一体性は比較的保たれつつも、反面、外交、安全保障分野での意見は、自民党以上に広いと思われます。
安全保障観は政党が帯同する政策の大きな柱の一つです。それが定まっていないところに、国民の皆さんからの不信の一端があると思います。
期せずして、来週から始まる国会では、集団的自衛権に関連する法案が議論されます。いままで避けてきた安全保障議論を党内で徹底的に行い、民主党としての答えを出さなければなりません。
民主党は何を考えているのか、その問いに明確に答えられる政策の軸を示す必要があります。
そしてもう一つ。
党の一体感を醸成する事こと。
それぞれの議論は得意な政治家が集う党ですが、その反面、皆の意見をすりあわせ一致点を探る事が不得意です。また、一旦決めた事に対して、個人の想いを多少飲み込んででも一体的に行動することも苦手とされてきました。それらの一つ一つの行動が、国民の皆さんから「バラバラ」と評されることに繋がっています。
議論は充分に行う。その上で物事を決める。物事を決めたらそれに従って行動する。この当たり前の流れがあって初めて、政党として認められると思います。
政策の対立軸を示す事。
党としての一体感を醸成する事。
いずれも政党が国民から認知され、信頼される上での当然のことです。
いまさらこのようなことを自己反省する事に恥ずかしさはありますが、そこは恥を忍んで見つめ直さなければなりません。
これから私達が取り組むのは、政党としての基礎工事です。いままでそれが出来ずに上物だけを見つめてきたことを反省し、岡田新代表のもとに強固な基礎を築き、成熟した政党を目指したいと思っています。
自民党に変わって政権を担いうる政党が日本には必要です。
その可能性があるのは、民主党であると信じています。
民主党が国民の皆さんから信頼を勝ち取れるよう努力して参ります。