衆議院が解散した。思う事を少々。
何度か解散には立ち会ってきたが、総理が仕掛けた積極的な解散なのに、これほど違和感のある解散は初めてだ。
安倍総理は先日の会見で「(増税延期という)重要な決断をしたから国民の声を聞かなければならない」。
そう解散の理由を説明した。
それが本心だとは、私はもとより国民の大半も思っていないだろう。もし本心なら、春の増税時(8%に増税した時)に解散して国民の声を聞かない理由がない。
結局、増税延期という国民受けが良い案件の時だけ、都合良く「重要な決断」としただけの話だ。
いわば、総理は国民の声を聞く為に解散するのではなく、増税延期という国民の声を利用して解散しているに過ぎない。
政治に建前は付き物だが、ここまで見え見えの建前を熱弁するのも白々しい。
街の声で「もっと世間を見て欲しい」そんな声があった。解散よりも後退局面に入った経済対策を急げ、国民は解散することを望んでない、と。
ある民放番組で「アベノミクスの実感なんてない。大企業の人だけじゃないか」との街の声に対し「これ、選んでるでしょう、儲かってる中小企業は『私たち儲かってる』なんて言い難いですよ」と総理。
総理の周りに忠告する人はいなかったのだろうか。
官邸の頂点にいて、高い支持率に浸り、都合のいい話だけに囲まれているのかもしれない。
いま、総理は世間が見えているのだろうか。
もっと世間を見て欲しい。
世間の感覚とかけ離れた総理に対し、かの有名な童話をなぞらえ、
「王様、裸ですよ!」
そう伝える選挙なのかもしれない。
国民の声をご都合よく利用する総理に、国民の信を与えることの危険性は計り知れないのだから。