子供を授かったいま、本気で入学させたい学校がある。
それは「よみたん自然学校」。
場所は沖縄県読谷村。
多少味付けを濃くして表現すると、
そこは「何も教えない学校」。
子供らは、自然の中で自分で考え、自分で行動する。
教える、教えられるの一方的な関係は、そこにはない。
喧嘩しても「ほら、謝りなさい」なんて強制はしない。
謝る事の意味がわかって自発的に謝るまで、待つ。
大人達は、子供達の身の安全を守りつつ、
共に学びあって過ごす。
何も教えないから楽だろう、
そんな感想を持つ人もいるかもしれないが、
全く逆。途方も無い忍耐と許容を必要とする大変な環境だ。
それでも、子供の可能性をひたすら信じて見守り続ける。
この学校を創ったのは小倉さん。
私とは、ざっくり同年代。
経歴は、灘高、東大、一流商社と典型的なエリートコース。
でも「人の真似は簡単に出来るけど、
自分自身は何をしたいのか、それを導くことが難しかった。
そうなったのは、今の教育に問題がある」
そんな想いを抱いて会社を退社。
数年をかけてこの学校を創った。
「今、取り組んでいる教育は、
自分自身への問い直しの意味もあり、
自分自身への挑戦でもある」と小倉さん。
実際に、昨年行ってきた。
主に就学前の子供達が集って、おのおの活動していた。
黒板には「猫ごっこ」やら何やらやりたいことと、
子供の名前が書かれている。
その中に「考え中」との欄もある。無理に決めないのだろう。
これが、真骨頂だなぁと感心。
木のブロックで遊ぶ子供達は、
色々相談しながら一緒に大きな船を作っていた。
一人土砂降りの中で駆け回っている子供もいる。
敷地の中には、子供達が創った小さな街もあった。
全てに子供の自主性が基本にあって、
多様な考えを認め合う風土が根付いていた。
運動会も、自分たちで発案し、実行したようだった。
「ここに通いたいなぁ、通わせたいな」と素直に思った。
小倉さんとしばし会話。
私から「私の住む秋田は、子供の学力全国一なんです。
でも、ちょっと危惧を覚えてます。
その学力優秀ということに大人達が縛られて、
テストの点数を高めることに注力するあまり、
もっと大事な、子供の自主性を維持することが
後回しにされてないかと」。
小倉さんは「沖縄は学力最下位。でも、元気にやってる。
秋田に沖縄の先生が研修に行ってたけど、
どうなんでしょうねぇ」と。
そんなこと徒然と、
走る子供達を横目に話していた。
私は思う。
これからの世の中において、学力がどれほど重要なのか、と。
時代は変わった。
良い点数をとって、良い大学に入って、
良い就職先に勤める事が、
幸せや、安心を保障する世の中じゃ、もうない。
学力不要とまでは言わないが、
それよりも基礎として大事なものがあるだろう。
これからの時代、
多様性を認めながら、
自主的に考え行動する能力があって初めて、
楽しく逞しく生きていけるのではないか。
学習指導要綱に縛られながら、
子供達は、やるべきことを指図され、
答えまでご丁寧に教えられる教育は如何なものか。
もっと子供は自由であっていいし、あるべきなのだ。
だが、日本の教育は、
その流れを変えるどころか、より強める方向になりつつある。
安倍政権のもと「道徳」が正式に教科になり、
検定教科書の導入、評価まで行うらしい。
偉人達の「立派な事」を「教えて」、
おまけに「評価」までしてくれるようだ。
多様な価値観を認める社会ではなく、
単一の模範に誘導する社会へ。
学力と模範を教え込むだけの学校なんて、
ご容赦願う。
私と、私の家族は違う道を歩みたい。
小倉さんが言っていた。
「子供は勝手に育つ。要は彼らの邪魔をしないこと」。
その通りだ。
今のご時世、おそらくマイノリティな考え方だろうが、
私は、我が子を本気で信じて、彼の邪魔をせずに育てたい。
しっかし、
沖縄と秋田、遠いなぁ。。。
追記:
よみたん自然学校も来月で10周年。
イベントが行われるようです。
ご興味ある方は是非!
私も行きたい。。。。。
http://yomitan-ns.org/home.html
(賛助会員も募集中です!)