201309月01日

【秋田市の除雪は変わるのか】

結論:暖冬を祈りましょう。本気で。

以下、昨年の惨状を受けて作られた、
市の新・除雪対策案「ゆき総合対策」抜粋と私見。
ため息しか出ない。

<市民からの苦情電話はコールセンターへ委託>
3000万円の税金かけて、
苦情相談の電話受付をコールセンターへ委託するそうです。
「電話対応能力に優れたコールセンターへ委託する事により、
本部職員の除排雪業務への対応の迅速化」の為らしい。
素人発想で申し訳ないが、
冬期間だけ市役所全体からヘルプ部隊を編制出来ないのか。
また、外部に委託することで情報伝達も劣化するのでは。
今月の市議会に補正予算として計上するみたいだが、
これ、本当に市議会で予算認めるのだろうか。。。。

じゃあ、本部職員は何をするのか。
以下。

<除雪の指示>
・幹線道路
積雪10センチか、それが「予想される場合」に出動命令。
(昨年までは10センチ積もってからの判断だった)

ここまでは変更点。

・生活道路
10センチ以上積もってから、
気象状況や路面状況等を『総合的に判断』して決定。

ってことは、結局去年と何ら変わらず。
今年も生活道路は、
10センチ積もってから、気象や路面状況や色々考慮して、
除雪するかどうかを決めるそうです。
直ちに除雪は致しません。
生活者の実感として、
雪が積もって踏み固められる前に除雪すればいいものを、
踏み固められて凸凹になってから除雪作業に入るから、
時間も経費もかさみ、
後手後手になって市民生活もパンクしたのでは。

ここの判断の迅速化が肝だと思うのだが、
「総合的に判断」という行政最高の曖昧用語が登場。
ということで、今年も、
気象だ路面だ色々考えたり、
偉い市議さんから言われたとかってのが、
判断を遅らせていくのでしょう。
市民が一番改善を望んだ部分だと思うのですが、
残念無念。

生活道路の除雪指示の
「総合的に判断する」要素を分解して、
以下。

まず、道路状況の把握は。

<道路パトロールを公社に委託>
適切な道路状況の把握に努めるため、
2500万円の税金をかけ、
秋田市総合振興公社にパトロールを委託。
ここゴミ回収の公社です。

<積雪センサーの設置>
速やかな出動判断を行う為に、
積雪センターを市内にモデル的に設置。
その数、12個。。。。。
まぁ、モデル事業ですからね。

これらに加え、
職員の見回り、
前述の、外注したコールセンターでの苦情電話が、
生活道路等の除雪指示の基礎となるようです。

私見を大胆に言えば、
詳細で具体的な情報を断片的に集めて判断するよりも、
大雑把に、かつ、無駄を恐れず、
出動命令を前のめりで出す事が重要だと思います。
降り積もって固められてからじゃ遅いわけで。

でも、予算が、、、、ってことを市側は気にするでしょう。
その予算について新計画では以下。

<予算計上は適切に>
「過年度の実績を踏まえた適正な当初予算の確保に努めます」。
だそうです。
具体性はゼロ。予算は市長判断でしょうから、
仕方が無いかもしれませんが。
でも、
「除雪車両に設置するGPSで・・・」と、
業者がちゃんとやってるか?的なことはチェックするようで。

<業者との契約方法>

ここも改善策の技術的な部分として注目されていました。
新方針では、
市内のブロッックを200から60まで統合し、
広くなったブロックを
一社担当から、
複数業者で担当する仕組みに変えるとのこと。

正直、効果はわかりません。
基本的に、
広くなったブロックを一つの業者共同体で担当するのではなく、
複数の業者がそれぞれ担当するようです。
(業者共同体での受注は実験的に行うようですが)
これ、巧くいくのでしょうか。

<県との連携>
協議します。

だ、そうです。まだしてないんでしょうね。

<ゆき捨て場の確保>
これが排雪の一番の問題点と言われてました。
もっと公園や空き地レベルの、
地域のゆき捨て場を増やして欲しいって思います。
新計画では、色々増やそうと努力してくれています。
私が四月の選挙でも訴えた、
協力地権者への固定資産税の減免も検討されています。
ただ、
現時点では「努めます」「交渉を継続します」との文言が多く、
実際に今年増えるのかは不明。
以下、気になる点。

・街区公園や児童遊園地への排雪
いままでは、豪雪時しか認められなかったのが、
今年からは降雪時から可能になる。
ただ、スノーダンプのみ。
ってことは、実質、公園の目の前に住んでいる人のみ、か。

・旧空港跡地の出入り口
除雪が進まない原因の一因に、
大型排雪地に捨てるまでが時間がかかるというものがあった。
旧空港跡地はその典型で、県道から右折がなかなか進まず、
それが大渋滞をうむ主因となっていた。
そこで、右折レーンの設置が議論されたのだが、
新計画案では「『今年の状況』を見極め県と協議」。
???
何故、去年を参考にしない?
今年が暖冬だったら作らないのかい?
今年豪雪だったら、去年と同じ目に遭えと?
一番酷い時を想定して対策を立てるつもりはないようで、
去年の豪雪の反省にたった対策との命題はどこへやら。
このスピード感覚って。

以下、諸々。

<コミセンへの小型除雪機の配置>
これは良い事だと思う。
予算1000万円。
どう利用するかは、ちょっと気になるけど。

<町内会長への伝達>
驚いたことに、いままで町内会長への伝達手段は、
なんと「郵便による文章」だった様子。
ようやく「これではいけない!」と市側が考えてくれたようで、
今年10月までに、
FAXによる緊急連絡網が出来るそうです。
一安心。
今までに震災がきてたらどうなってたのだろう。。。。

<GPSによる除雪車両状況の把握>
これからはネットで除雪車両が何処にいるのか、
市民も見られるようになるそうです。
一見進歩的に見えますが、私個人としてはどうでもいい。
「どこにいるんだ!」との苦情は減ると思うけど、
実際の除雪が進むかどうかとは関係ない。
何処にいるか、がわかるだけだから。

新・除雪計画案、大体以上の通りです。

主な変更点は、
幹線道路の除雪指示が早くなるかも
苦情はコールセンターへ
パトロール部隊増強
積雪センサーが12個市内に設置
コミセンに小型除雪機
公園等にスノーダンプで排雪可能
ネットで除雪車の場所が分かる

変更されるかもしれない点は、
排雪場所が増えるかも

変更されない点は、
生活道路の除雪

こんなところでしょうか。
これが去年の悪夢の反省に基づく対策かと思うと、
悲しくなります。

私個人としては、
前述しましたが、
降り積もって、固まる前に、
生活道路も含めて除排雪が出来るかが勝負だと思います。
その為に、
除雪指示も前のめり気味に行うべきでしょうし、
または、
地域ブロックの業者の責任をより高めるやり方も
一案だと思います。
札幌市では、業者が苦情の受付までやってます。
その地域の除雪が美味く出来なければ、
翌年からの仕事が取れないのもインセンティブでしょう。
排雪場所も行政がもっと進んでやらないと。
「今年の様子をみて」なんて悠長なことは避けたいです。

これら、市民が意見を言う場はあるのでしょうか。
「市民100人会」なるものを
7.8月にやる予定のようでしたが、
実際のところはわかりません。

せめて、市議会で議論してもらいたいものです。

というか、
私が見る限り、
市議の皆さんのHPに、
この件の詳細の記述を見つけられません。
もっと伝えてもらいたいなぁ、と。
夏祭りに参加しました!とか、どうでもいいです。

以上、
新庁舎問題以外に手を広げたくなかったですが、
去年の悲惨な除雪を経て作られた、
今年度「秋田市ゆき総合対策」を読み込むと、
なんとも悲しくなり、ここにまとめた次第です。

(ちなみに、このホームページは、
新庁舎の問題が一定の結論を経て、
備忘録【311の記憶】を書き終えたら閉じる予定です)。

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