201303月15日

政治生命

「政治生命」

この数日、一番問いかけられた言葉です。

 

「市長選には出るな。勝てない。負けたら政治生命が終わるぞ」

心配してくれる人ほど、この「政治生命」を気にかけてくれました。

昨年の衆議院選挙で敗北したんだから、また次も負けたらもう二度と選挙は勝てないぞ、ということ。

 

「政治生命」って何なんでしょう。

 

ということで、

まさしく生命ゆえ、我が「政治生命」が産まれた時を振り返ってみました。

 

10年前の今頃、

敬愛する先輩が、東京の私のアパートを訪ねてきてこんな事を話してくれました。

「会社を辞めて市議会議員選挙に出ようと思う。

昔一緒に悪さしていた奴らに、自分が偶然つかんだ教育の機会を提供したいんだ」。

その先輩は、サラリーマン金太郎を地でいくような人で、

中学校を二回退学になったのち、暴走族に飽きてゲーム喫茶を経営、

悪さの限りを尽くしていた頃、

たまたま「一度大検でも受けて、陽の当たるところに行ってみなさい」と言われた事をきっかけに、

大検を受け合格、大学に通い多くの出会い得て世界が拡がり、

就職も大手ゼネコン全社から内定をもらう程で、社会人としても異例の出世をしていった、という方です。

そんな先輩でもあったので、

「選挙に出る」と言われた時、自分は必死に止めました。

「政治なんてね、頑張った分すべてが認められる訳じゃないし止めた方がいい、

俺だって色々不満はありますけど、どうしょうもないから民間でこれからも頑張りますよ、

だから先輩も会社は辞めないほうがいい」と。

散々政治の悪いところを列挙し、黙る先輩を説得した、つもりでした。

でも、いよいよ夜があけようとしていたころ、一言だけ反論を受けます。

「お前はそんなに政治に不満があるのに、なぜ自分で解決しようとしない」と。

返す言葉がありませんでした。

だから「じゃあ、俺もやります」と答えました。

 

これが、自分にとって政治を志す第一歩です。

まさしく「政治生命」の始まり。

 

さて、話は秋田市に。

一言で言うと、今の秋田市政には疑問を抱いています。

変えなきゃいけないと思います。

昨年国会議員という職を離れた12月から、

妻と共に一市民として暮らす中で、本当に多くの疑問を持ちました。

国会議員中の東京往復生活では気づかなかった疑問を、恥ずかしながら今更痛感しました。

除雪のこと、

ゴミの有料化のこと、

市役所新設に巨額のお金を投入する事。

いつも決まって市の説明は、物事が決まってからということ。

挙げればきりがありません。

皆さんも同様と思います。

 

でも、その市政を審判する市長選挙が無投票になりそうです。

こんなに不満と疑問が漂っているのに、市民の審判を経る事なく、結果として現職が再選される。

なぜか。

ここ数日、多くの方から言われた話に凝縮しています。

「いや、誰だって不満はあるさ。現職でいいとは思ってない。でもね、選挙に出たって勝てないって」。

また、ある市議会議員がブログ(既に修正)でこう表現していました。

「無投票当選というのは、本来あってはいけないことと私も強く思っています。

当選した方に、批判票がどれくらいあるのかを示し、

執務にあたって批判を受けた事柄に対して気を配りながら行うことが良い成果になると思います。

ただ、勝てない時は戦わないことも一つの選択と、石橋をたたいて渡る性格の私の気持ちです」。

この方からは電話でこう言われました。

「誰が出たって3万票しかとれないですよ。負けますよ」。

 

確かに現職市長は、多くの政党、団体、労働組合、市議らから支援を受け、強固な後援会を持っています。

最強です。

そんな人に勝てないから、おかしいと思いながらも「おかしい」と誰も手を挙げない。

つまり、政治家個人の自己保身以外の何ものでもありません。

負けたら嫌だ。今の立場を失いたくない。

そんな気持ちの蔓延が、

市民に不満があるのに、市民は投票したいのに、誰も立候補せず無投票になる理由でしょう。

 

この発想が、政治をダメにしてるのではないでしょうか。

勝ち負けを選挙の動機にしてはいけないと思います。

変えなきゃいけないと思ったら、その想いを持って堂々と異議を唱えるべきだと思います。

その積み重ねが、物事を変えていくのだと信じています。

 

「疑問を感じた人間は、その疑問を解決する義務を持つ」。

死ぬ間際まで負け戦に挑んだ祖父の言葉です。

「お前はそんなに政治に不満があるのに、なぜ自分で解決しようとしない」

自分の「政治生命」を産んでくれた先輩の言葉です。

 

自分にとって「政治生命」とは、

負けたら終わるものではなく、

疑問を感じたのであれば、何も恐れず行動することが、

「政治生命」だと思います。

これを考えを忘れたら、その時点で私の「政治生命」は実質終わっているのでしょう。

 

だから、

原点に戻り、

政治生命を再び蘇らせるべく、

私は市長選挙に立候補しようと決めました。

 

何にも臆する事なく、

しがらみにも捕われず、

自分の問題意識と理想の市政を精一杯訴えたいと思います。

市政を変える為に頑張りたいと思います。

その結果として、不満を持つ市民の選択肢になれたら本望です。

 

秋田市政を変える。

日本一住みやすい秋田市を

役所の知恵や工夫と

市民の少しだけの協力とで創り上げる、そんな秋田市を目指したい。

 

自分に出来る事は限られるかもしれませんが、

粉骨砕身、懸命にもがいてみようと思います。

 

寺田学

 

(具体的な考え・政策は今後お話しさせてください)

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