困っている人を助けるのが政治の役割で、その人がどのような立場であれ、そして職業であれ、この役割は変わることはないと思います。
「私たちは、助けてを求めていけない立場なんだと思った」
そのような想いを聞かされたのは、性風俗で働かれる女性からです。
新型コロナ感染症の拡大に伴い、様々な支援策が打ち出されています。その中に、小学校等が休校となった場合の休業補償が用意されています。
会社に勤めている人と、フリーで働いている人に大きな差があることが当初問題となりましたが、それ以前に、そもそも補償対象から除外されている人たちがいました。
それは、性風俗で働く方々でした。
職業差別ではないか、そんな声があがっていましたが、所管の厚労省は「公金を投じるのにふさわしくない業種」として、補償対象から除外していました。
風俗店で働く女性を支援するNPOの方々に聞くと、働く女性の3分の1は子持ちで、その中にはシングルマザーの方も少なからずいるとのこと。もちろん、所得が高い方もいる一方、非常に厳しい経済状況で苦しんでいる人もいて、この新型コロナ感染症の感染拡大で、追い討ちをかけられ一層厳しい環境に立たされている人もいる、と。
経営主体が反社会的勢力と繋がりがあると指摘する人もいますが、例えそれが事実でも、働いている女性は、様々な事情を抱えて働く方々です。
その事実を知り、何とかしようと考えたのが、2日木曜日。週明け月曜日の官房長官に対する質疑内容をまとめている時でした。
小学校の休校は既に実施されており、その上4月も休校になるところが増えている最中で、苦しい方へのサポートは一刻の猶予もない時でした。
もう、この緊急時に与党も野党もない、そんな思いで、官房長官に直接連絡してみたところ、意外なまでに問題意識を共有してくれ、土日の間も直接連絡しあって問題点を整理しておりました。
そして迎えた6日月曜日の質疑。
厚労省幹部の従来通りの固い答弁が続きましたが、官房長官からは「見直す」とのストレートな答弁。そして、間髪おくことなく翌日の今日、厚労省から、性風俗関係者を補償対象に組み入れる新たな方針が打ち出されました。
昨日の質疑と官房長官の答弁がニュースとなり、Yahooのトップニュースになった頃から厳しい批判が多数寄せられましたが、私自身今回の質疑に後悔はありませんし、成果を出せたことは喜ばしく思っています。
また、これにとどまらず、新たな現金給付制度の適用を受ける際の所得把握の難しさなど、性風俗関係者のみならずフリーランスで働く方々全般に関わる特有の問題点があり、引き続き働きかけが必要と思います。
この、新型コロナ感染症の感染拡大により、多くの人が苦しい立場に置かれています。
以前から取り組んでいるDJやアーティスト、ライブハウスやクラブの窮状、同じく自粛要請の影響で瀕死の状態に追い込まれている飲食店のこと、そしてキャンセルしたイベントによって多額の負債を抱えた文化関係者等、普段政治との繋がりがなく、政治や行政からは見えていなかった方々が、本当に大変な立場に追い込まれています。
困っている人を助けるのが政治であって、既存の仕組みから取り残されている人を見つけ、救い上げるのが議員の仕事と思っています。
今回の件のみならず、自分ができること、自分だけが繋げられることに精一杯取り組みたいと考えています。