201404月09日

秋田の人口動態は。

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再度講演を頼まれ、人口動態、推計をおさらい中。
ということで、一つご紹介。
添付の人口ピラミッド、
ボリュームこそ違えど、形はほぼ一緒。
さてさて、この二つの人口ピラミッド何だと思います?
実は、
カラーは、2035年の日本の人口。
緑は「3年前」の秋田の人口ピラミッド。
ということは、
秋田は既に日本の20年先を走っている、ということです。
幸い?日本全体がここまで高齢化が進んでいないことで、
秋田は財政面やら制度面でかなり助けられています。
でも、それはいつまでも続かないのは自明の理。
影響は、至る所に深刻に甚大な規模で姿を現します。
例えば、
東京をはじめ、都市部は今後高齢者が爆発的に増えて行きます。
逆に、秋田は高齢者が減り始めます。
「東京は大変ね〜」と思うのは簡単ですが、
これは秋田にとって大変な影響を及ぼすでしょう。
いま、地方において若者の中心的な雇用分野の一つは、
介護医療分野。
ということは、
高齢者が爆発的に増える都市部の介護医療人材を確保する為に、
高齢者が減り始める秋田から若者が流出することは、
容易に想像出来ます。
ただでさえ、少ない若者が、もっと減る事が予想されます。
(ちなみに、この人口ピラミッドは上記理由による人口流出を加味していません)
「秋田に高齢者を呼べば良い」とのアイディアもありますが、
いままで介護保険料を秋田に納めていない高齢者が、
大挙して秋田に来たら、支出のみ膨らみ財政は破綻します。
ただでさえ、現役世代が半減し、
税収が落ちている秋田には致死的ダメージです。
「子供が増えるように頑張れ」とのご意見もありますが、
これから25年間で、20〜39歳の女性が半減します。
これは、(ありえない事ですが)出生率が倍になっても、
産まれてくる子供の数は増えない、ということです。
現在の出生率は約1.4。
出生率を倍にする事が難しいのは、
先進国の奇跡的な出生率回復の前例は+0.5、
日本の第二次ベビーブームでも2.2弱だったことからも明白です。

人口が増える、という思い込みと願望は、
捨て去って現実を見る時期はとうに来ています。
これからやれることは、
子供が少しでも増えるようにありとあらゆる政策を導入する、
若者が東京に吸収されないように、
新しい産業を創り続ける(応援し続ける)ことが必要です。

さて、じゃあ秋田県行政は何をしているか。
この分野で最も予算を割いている一つに、
「あきた未来づくり交付金事業」として、
市町村のハコモノに助成金を出す事業がありました。
その他、
結婚支援センターを県で開設したり、
講座を開いたり、パンフレットを作ったり、表彰したり。
危機感があるとは、到底言えない内容です。

ロシアから貰った猫はかわいいですが、
それ以外に、秋田だからこそ取り組まなきゃならないことは、
山積しているように思えてなりません。
少子化の逆側として、多死社会への対応もあるわけですから。

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