202306月28日

【国会、閉じる】

150日間にも及んだ通常国会が閉会しました。
今国会は、防衛財源確保法やマイナンバー法など、重要法案とされたものが多い重量級の国会でしたが、私個人としても大きな課題を背負った国会でした。

投稿でも都度お知らせしましたが、法務委員会の筆頭理事として多数の法案を担当し、特に入管法は私自身の政治行動のあり方を考える大きな契機となりました。

入管法は、与党のみならず野党の一部も賛成に回ることが確定的で、それゆえに廃案に持ち込むことが相当難しいことは事前にわかっていました。だからこそ、私自身、様々な展開に備えて法案修正を準備し、政府与党、その他多くの関係者と事前に議論を重ねておりました。
いよいよ法案審議の中で正式に与野党間の修正協議の場が設置され、その場で当事者の一人として忍耐強く修正案の作成に努力致しました。ただ、その後に我が党が出した結論は、修正合意はせず、廃案に持ち込むことを諦めない、というものでした。
我が党の姿勢は、戦う意味で立派なことだったと思います。しかし、結果的にはやはり廃案にはできず、我々が望む修正はおろか附則も附帯決議もつけられずに実質的に政府原案のまま法律は成立いたしました。
「良い戦いができた」「入管の問題点を知らしめることができた」等の声が上がりますが、果たして、それをもって良しとできるのか、いまもってなお自分の政治行動のあり方を振り返り反省をしているところです。

どのような環境でも「廃案に持ち込むのだ」との姿勢の一貫性は誇れるものではありました。その反面、修正合意しなかったことによって、在留資格のない子どもや、その親など、助けられたはずの人が助からないことへの責任も同時に抱え、併せて、修正合意内容に含まれていた、入管の裁量を制限することもできず、結果として過大な裁量をそのまま残してしまったこと、そして、そのことによって生まれうる無辜の人が将来迫害を受ける苦しみも同じく背負っていかなければなりません。

端的に言えば、野党のあり方が問われた局面だったと思います。
政策的な是非だけでなく、野党として、何を成し遂げることを最優先事項とするのかが問われました。

対決すること。
一方で、少しでも法案を変えて成果を残すこと。

おそらくここに絶対的な正解はないと思います。
その都度考えることであり、そしてまた、議員としての政治哲学に依拠するところでしょう。

その意味において、抱える課題や今後のあり方を深く考えることとなった国会でありました。

いずれにせよ、全力で取り組んだ通常国会でした。
ここで成し遂げられたことも、成し遂げられなかったことにも素直に向き合い、たゆまぬ努力を続けていきたいと思います。

写真は最後の昼食、国会名物あかねのガパオライスです。

月別アーカイブ