202110月18日

【政策名称から見える本音】

本日に日経新聞「ダイバーシティ進化論」。
寄稿者は友人でもあるアーティストのスプツニ子!さん。
(余談ですが、数年前に大曲の花火にも遊びに来てくれました!乳頭温泉にも)
 
取り上げられていたのは、政府が発表した「不妊予防支援パッケージ」という政策について。
政策の中身は、働く女性の半数弱は婦人科に行かない。中高生女子も、生理痛や月経前症候群(PMS)があってもほとんどが受診していない。こうした課題を踏まえ、女性の健康に関する情報発信を強化したり、健診のあり方を研究するというものです。
 
政策の中身は決して悪くないが、この「不妊予防支援パッケージ」という呼称には疑問残ると彼女は指摘しています。
 
本文の一部を引用すると、
名称が不妊予防支援でよかったのかは疑問が残る。「女性は出産する」と決めつけていないか。子どもを産むかどうかは国家に決めてもらうものではない。特に公的な教育にこの名称が入り込むのは違和感がある。学校健診の調査票に生理の不調を記せるようにし、婦人科へつなぐことを検討するというが、一歩間違えれば「産めよ殖やせよ」のメッセージになってしまう。
本来なら「女性のヘルスケア支援」でよかったと思う。
引用以上。
 
中身がいいなら名称は構わないではないか、とのご意見の方もいらっしゃると思いますが、私自身、名称にこそ政策立案側の本質と現状が如実に現れると思っています。
 
以前、安倍総理が、女性活躍を目指す文脈で「3年間抱っこし放題での職場復帰支援」を唱え、大きな議論を呼びました。
そこには、男性の育児参加が必要としながらも、やはり背景にある子育ては女性が担うものという価値観が見え隠れした為であったからだ思います。
 
本文中にも言及がありましたが、このような名称になったのは、意思決定層が男性だらけだったからではないか、との推測も。
実態を知る術はありませんが、さもありなんと思います。
 
政治、行政と生活に大きな影響を及ぼす機関が、比較的年齢を重ねた男性だけで意思決定されていることの弊害は、随所に見られます。
低容量ピルや緊急避妊薬の承認が大幅に遅れながらも、バイアグラの承認はとても早かったと揶揄する声も聞こえてきます。
 
政治に、行政に、多様性を。
高齢者、若者、男性、女性、性別を問わないあり方、障がいのある方を含めて、多様な方々が意思決定に参加する必要性をひしひしと感じます。

 

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