巨大な名札を肩にかけた大人が、大きな看板をつけた車で走り回る「選挙」。
法律で定められた形式に則れば、選挙中、このように選挙カーで走り回ることが基本活動となります。
反面、本来求められるべき公開討論会は法律で禁止されております。
慣例と伝統なのかもしれませんが、これが有権者に向けて最も有意義な活動形態かと問われれば、誰しも否と答えると思います。
もちろん、昭和のころは今のようにデジタル技術も乏しく、このような形態で地域を訪問して、拡声器で呼びかけることに一定の必要性があったと思います。
しかし、様々な技術の進展と、問われるべき争点が多角化された今日において、この選挙のあり方は変える必要があると常々思います。
私自身も恥ずべきことですが、選挙前には必ず「公選法を変えなければ有権者にとって本当の選択ができない」と思いつつも、選挙後には他の政策案件に時間がとられ、結局公選法は変わらないまま、次の選挙を迎えてしまいます。
法律を改正できる唯一の権限を託された立法府が、この選挙のあり方、それを既定する公職選挙法の改正を怠っていることこそが、政治の鈍感さの証左と恥じております。
有権者に対してのみならず、立候補する側にも信じがたい作業が課せられます。
市内数百箇所にポスター看板が設置され、そこにポスターを貼る作業から始まり、選挙中に配布できるビラの10万枚近くには、一枚一枚に規定されたシールを貼らねばならなかったりと、制度趣旨は理解しながらも、具体的なやり方は技術革新の結果いくらでも軽減かできるように思います。
私自身望むところは、候補者全員をマイクロバスにでも乗せて、自治体が用意したコミセン会場で、市報で宣伝された公開討論会をひたすら繰り返し練り歩くような選挙であれば、候補者の人となりがよくわかり、有権者にとっても候補者にとっても有意義なものになるのではないかと思います。
今回は、解散してから選挙開始まで史上最短ということで、立候補する陣営はおろか、報道もてんてこまいの様子です。
従来は行われていた、NHKの政策ごとの候補者インタビューもされず、公開討論会も開催されずに選挙本番を迎えます。
(青年会議所の皆さんがご尽力され、従来NHKが担っていた政策ごとのインタビューを18日に公開してくれます)。
選挙中に配ることができる広報誌などには、できる限りの私の考え方を載せられるよう努力したつもりですが、十分な機会が持たれなかったことには、無念さがあります。
公選法改正含め、選挙が有権者にとって十分な情報が行き渡るよう、努力していきたいと思います。
選挙のアップデート、必要です。